人は誰もが「目に見えない風の流れ」の中を生きている。
幾度と無く打ちのめされても、立ち上がり続けなければならない人生に於いて
その縮図とも呼べる『四角いフィールド上』で、
僕らは風を追い、そして喜怒哀楽を共にしている。
そして、いつもそこには、結果論の中にしか『絶対』を見出せない
哀しき存在の僕らの足跡が残されている。
人差し指を高らかに掲げ、心の眼で風を感じる僕達の・・・
第1回 『長編読み切り小説 〜BIG WEDNESDAY〜』初出:2001年11月 7日(木)
第2回 『長編読み切り小説 〜RAMBO〜』初出:2001年11月 9日(土)
第3回 『長編読み切り小説 〜グレムリン〜』初出:2001年11月11日(月)
第4回 『長編読み切り小説 〜バトルロワイアル〜』初出:2001年11月12日(火)
第5回 『長編読み切り小説 〜シックスセンス〜』初出:2001年11月15日(金)
第6回 『長編読み切り小説 〜チャーリーズエンジェル〜』初出:2001年11月18日(月)
第7回 『長編読み切り小説 〜羊たちの沈黙〜』初出:2001年11月20日(水)
第8回 『長編読み切り小説 〜ファイナルデスティネーション〜』初出:2001年11月29日(金)
第9回 『長編読み切り小説 〜銀河鉄道999〜』 初出:2001年11月29日(金)
第10回『長編読み切り小説 〜タイタンズを忘れない〜 』初出:2001年12月 3日(火)
→第1回『長編読み切り小説 〜BIG WEDNESDAY〜』
数年に一度訪れると呼ばれる「BIG WAVE」を待ち望み、サーファー達はまた水曜に集まった。
伝説のサーファー諏訪ちゃんは果敢にも沖へと出て行く。
・・・と、そこで、波打ち際で小鳥(一索)と戯れていたhigherが叫んだ!
「来た!!!」
今まさに沖へ向かう途中のAB君が水平線を見ると、見る見るうちに水平線が湾曲していく。
明らかに『いつもと違う』波だ!
危険を察知したAB君が諏訪ちゃんを呼び止める!
「危ないぞ!諏訪ちゃん!!」
しかし諏訪ちゃんには全然聞こえない。パドリングを続け「それ」に向かって行く。
足元の水がどんどん引いていき、水鳥(一索)が一斉に飛び立つのを
higherはただ震えて見てるだけだった。
津波クラスの大波が大きな音をたてて三人に向かって来る!
「BIG WAVEだ!!BIG YUKI WAVEだ!」
『それ』を待ち望んでいたはずのAB君は慌てて引き返す。
諏訪ちゃんは正に『それ』に乗ろうとしていた!
しかし所詮人間は自然の脅威の前には無力だった・・・
あ!っと言う間に諏訪ちゃんは青に呑み込まれ、ボードだけが弾かれて
投げ出された。そしてそのボードは逃げ遅れたAB君めがけて飛んできた。
辛くも難を逃れたhigherはこう語る。。。
「波には逆らうな」・・・と・・・
諏訪ちゃん・・・死亡
AB君・・・・・・死亡
教訓『一南去ってまた一南』
ベトナム帰還兵AB君は、元退役軍人仲間のマサに逢いに とある田舎町へやって来た。
しかし哀しい知らせがそこには待っていた。
「マサが・・・死んだ????」
ベトナムから帰還後、精神的におかしくなっていたマサは自殺したらしい。
哀しみに暮れるAB君を待ち受けていたのはその町の警察官の酷い仕打ちだった。
「俺は何の為に戦ってきたんだろう?」
その答えがコレなのか、と思ったAB君はバイクを盗み山へと逃走した。
ゲリラ戦を得意としていたAB君は、まず寝ていた警官higherを殺す。
「俺は仕事に行きたいだけなのに・・・」
とつぶやきつつも、続いて警官諏訪ちゃんも殺してしまう。
事件の知らせを受けた、AB君の元上官であるYUKIが必死に説得に向かうが
時既に遅く、YUKI到着前にやはり新人警官TATSUYAを最も残虐な方法で殺害。
TATSUYAの死体は見る影も無かった・・・。
YUKIの説得によりAB君は下山。
生き残った警官まちゃみに逮捕される。
まちゃみは当日遅刻をしており、事件終了後に現場に来たのであった。
「俺は仕事に行きたかっただけなんだ・・・、奴らが最初に仕掛けて来たんだ・・・」
、と呟くAB君に向かって、まちゃみは
「俺がもう少し早く現場に来ていたら、こんな事にはならなかったのに・・・」
と後悔するだけであった。。。
higher・・・・死亡
諏訪ちゃん・・死亡
TATSUYA・・・死亡
マサ・・・・・自殺
教訓『働かざるもの食うべからず』
<※関係者へのお詫び>
当初は「E.T.〜EBISAWA&TATSUYA〜」で企画が進んでおりましたが
あまりの酷い結果に「E.T.」を主人公のお話を断念せざるを得ませんでした。
御了承下さい。
higher、yati、パパリンは、とっても可愛い「グレムリン」を
『ユキズモ』と名付け可愛がってました。
これを売ってくれた謎の中国人「チャーン・すわ」からの
飼うに当たっての次の注意点の三つを守りながら・・・
その壱)決してちくわぶを与えてはいけません。
その弐)決して調子にのせてはいけません。
その参)決して光に当ててはいけません。
しかしそうとは知らないyatiのママが、ユキズモにちくわぶを与えてしまったから
さぁ大変!ユキズモは凶暴な『ユキズモ・ヤクマン』に変身してしまいました。
ユキズモ・ヤクマンは手始めにyatiを襲い殺してしまいます。
yatiをかばったパパリンも、瀕死の重傷を負いながら必死に抵抗。
しかし、かえってそれがユキズモ・ヤクマンを調子づかせてしまう結果に・・・
辛くも難を逃れ、必死に逃げるhigherに照準を合わせたユキズモ・ヤクマンは
背後から襲いかかりhigherをも殺してしまいました。
調子にノリノリになったユキズモ・ヤクマンは更に変身。
髪を切り、酒を呑み『ユキズモ・ファンタジスタ』になりパパリンを襲います。
既に瀕死のパパリンは「光」を探しますが見つからない・・・
「そうだ!こんなところに光があった!」
とパパリンは叫び、自分の頭をユキズモ・ファンタジスタに向けました!
そのハゲ具合に一瞬ひるんだユキズモ・ファンタジスタでしたが、
光が弱すぎて全然効きませんでした。。。
yati・・・・死亡
higher・・・死亡
パパリン・・死亡
難を逃れた謎の中国人「チャーン・すわ」は語ります。。。
あなたの街にも『ユキズモ・ファンタジスタ』は現れるかもしれません・・・
教訓『九索、ハゲを噛む』
「今日はみんなに殺し合いをしてもらいます。」
担任higherの声が教室中に響いた。運ばれてきたタンカに
かぶさっていた布をめくると、無残な まーすけ先生の死体が・・・
「これはダメな大人です。こんな大人にならないようにしましょう!」
higherは、ほくそ笑んだ。
「それからコイツらには気をつけろよ〜!転校生の二人だ!」
と、higherは見知らぬ二人、まちゃみと、とし君を指差した。
みんなそれぞれ武器を持ち外に出た。
諏訪ちゃんの武器は『チップ爆弾』だ。
そしてYUKI君は・・・「何じゃこりゃ?」ただの麻雀牌、しかも『三筒』だ。
こんなものが武器になるのか?と思いながら臨戦体制を整える。
・・・と、いきなりYUKI君の前に転校生とし君が現れる!
「おまえの武器は何じゃ〜!!」
襲いかかるとし君に慌てたYUKI君は、途中で拾った『四筒』を投げつけ
なんとか逃げ切ることに成功。
しかしとし君は執ようにYUKI君を狙う!!
結局捕まったYUKI君は、とし君の前に為す術もなく殺される。(残り3人)
一方、もう一人の転校生まちゃみは、諏訪ちゃんに襲いかかっていた。
チップ爆弾で応戦するも、汚いまちゃみの前では無力に終わった。。。(残り2人)
遂に、激突する二人の転校生!
引っ掛けまくるまちゃみに、ソレに乗るまいとするとし君。
しかし二人の間にいつしか奇妙な友情が芽生え、
higherの目を欺き、二人でこの島を脱出する事に成功する。
今、二人は指名手配されている。。。
まちゃみととし君は手を取り合って、逃亡生活を続けている。
「走れ!!!」
YUKI君・・・・死亡
諏訪ちゃん・・死亡
教訓『五ピン霧中』
「ボク、死んだ人が見えるんだ・・・」
第六感の鋭い諏訪ちゃんのカウンセリングにYUKIが当たった。
何でも諏訪ちゃんには既に死んでしまったが、現世に心残りのある人の
姿が見えるらしい。。。
最近、妻ピカ子との仲も冷め切ってしまったYUKIは、この子の
安息の為に何とかしてやろうという気持ちでイッパイだった。
諏訪少年の前に、心残りだらけのhigherが現れた。
当然YUKIには見えないが、どうやら心残りだらけらしい。
「今月はツイてないよ」
そう諏訪少年が悟すと、higherは姿を消し、成仏した。
続いてまーすけが諏訪少年の前に現れた。
「そんなにツッパっちゃダメだよ」
そう諏訪少年が悟すと、まーすけは姿を消し、成仏した。
続いてyatiが諏訪少年の前に現れた。
「具合悪いんだから、寝てなさい」
そう諏訪少年が悟すと、yatiは姿を消し、成仏した。
一方、YUKIとピカ子の間は、会話も成り立たない程の夫婦生活であった。
あまりのフルシカト状態に、YUKIはふと気付いた。。。
『は!!もしや俺も死んでるんでは??!!!』
higher・・・・死亡→成仏
まーすけ・・・死亡→成仏
yati・・・・・死亡→成仏
YUKI・・・・・死亡
教訓『チップ一枚、怪我一生』
→昔々、あるところにとってもSEXYな三人の女性がいました。
三人は全くタイプの違う風に育ち、そして私の部下になりました。
私の名前は『チャーリー・TATSUYA』。
第6回『長編読み切り小説 〜チャーリーズエンジェル〜』
三人の美女、「パーリン」「エービー」「ハイヤー」の元に チャーリーから新たな指令が下りました。 誘拐された外壁工事職人「まーすけ」を無事に救出する事です。 三人はこの事件を『偽装誘拐』と睨み、まーすけの上司である YUKIを犯人と決め付けました。
パーリンは看護婦に。
エービーはミニスカ&ブーツに(←パンツは白)。
ハイヤーはバドガールに変装し、証拠を掴む為、潜入捜査を開始しました。
YUKIはボロボロと証拠を暴露していき、あっけなく自滅。 当人は、どこも「間違ってない」と言いながら三人に倒されました。 あとはどこかに身を潜めている、まーすけを探せば任務完了です。 難しいと思われた捜査も、女子高生に変装して立ちションをするのが趣味の 怪しいオッサンからの情報を得て、発泡酒を呑んでクダをまいてるまーすけを 難なく発見。しかし抵抗したので三人に倒されました。
凄いぞ、チャーリーズエンジェル!
強いぞ、チャーリーズエンジェル!!
YUKI・・・・・死亡
まーすけ・・・死亡
教訓『泣きっ面に八(筒)』
今、巷では「ちょっぴり麻雀好きのする女性」を狙った連続殺人事件が起こっていた。
事件を担当することになった新人FBI捜査官エービー(白いパンツ)は
現在獄中にいる、ハンニバルパーリン(別名・ダボハゼ食いパパリン)に
犯人捜査のプロファイリングを依頼する。
一方犯人の「バッファロー諏訪」は次のターゲットに、
刹那的に生きる決心をしたばかりのチョッピリ麻雀好きのするユッキを選んでいた。
バッファロー諏訪は、ユッキを拉致監禁した。「今夜は帰さないぞ!」と。
一目でエービーのパンツの色を当てたパーリンは、すぐさま犯人の特徴を推理し始めた。
「一つ質問させてくれ。どうして犯人はバッファローの異名を持つんだ?」
エービーが答えた。「バッファローのように危険をかえりみず突っ込んで来るからよ。」
納得したパーリンは、バッファロー諏訪が白髪であることをプロファイリングした。
犯人を追い詰めるエービーは、バッファロー諏訪のアジトを発見。 無事ユッキを救出。犯人諏訪は直ちに射殺された。。。。
一方、パーリンはhigherの運転する護送車で移送中に脱出。
現在逃亡生活を続けている。
エービーとの間に、奇妙な愛情を抱きながら・・・
バッファロー諏訪・・・死亡
教訓『六萬(ローマン)は一日にして成らず』
→第8回『長編読み切り小説 〜ファイナルデスティネーション〜 』
予知夢のおかげで『全員死亡』となるはずだった飛行機墜落事故の難を逃れた ワカビンは、一緒に飛行機を降りたトシー、ハイヤー、スウォッチ、そして 紅一点のエビリン(白いパンツ)とともに生を実感していた。
しかし「運命」はそれを許さなかった!!
まず寝ていたハイヤーを起こした死神は、半分眠ったままの彼を撲殺。 ハイヤーは、うつ伏せのまま息絶えた。
ハイヤーの「死」に疑問を感じたワカビンは、これを運命と推理する。 飛行機の座席順から考えると、次に狙われるのはエビリンということになる。 密かに彼女に恋心を抱いていたワカビンは、次の日が仕事だというのに エビリン救出に向かう!
しかし「運命」という名の死神は既にエビリンを陵辱殺害していた。 『タツゴレン』を料理中に殺されたらしく、現場には切ったキャベツが散乱していた。
次に狙われるのはスウォッチだ!彼さえ死ななければ、その後に控えている
トシーと自分も助かる、と察知したワカビンは、工事現場でチャリンコ運転中に
転倒したスウォッチをギリギリで助ける。スウォッチは腕に裂傷と全身青アザ
程度で助かった。。。
ワカビンは運命に勝ったのだ!!!
ハイヤー・・・死亡
エビリン・・・死亡
教訓『リーチも積もれば山となる』
母の遺言通りに、永遠の生命を手に入れるべく、銀河鉄道999のチケットを ゲットした実郎(みのろう)は、謎の美少女ヤチテルと共に列車に飛び乗った。 車掌はもはやノリノリで、行きたかったライブにも行かなかった海老車掌だ。
途中、宇宙中の指名手配者キャプテン・ユッキーに出会ったが風邪が悪化してる
らしく自分の星からは一歩も表に出て来てはくれなかった。
「勝ち逃げかよ!」・・・と実郎は思った・・・
そしていよいよ永遠の生命を手に入れられる終着駅、機械惑星に到着した。
しかしそこは機械諏訪伯爵が支配している機械人間だけの星であった。
永遠の命とは機械になることだったんだ!!!
そう思った実郎は、機械化手術を施される直前にヤチテルの手を取り脱出を図る。
星の秘密を知られた者を生かしては帰すまじ、と諏訪伯爵が追っかけて来る!
絶体絶命のピンチにあらわれた海老車掌が諏訪伯爵と相打ち!
海老車掌は息絶えた。。。
バラバラになった諏訪伯爵を背に、実郎とヤチテルは地球へと向かった。
「諏訪伯爵・・・今もまだどこかで生きてるかも知れない」
・・・と実郎は思った。。。。
海老車掌・・・死亡
諏訪伯爵・・・死亡
教訓『五索(ウーソー)から出た 真」
アメリカで、人種差別が吹き荒れていた頃、
日本ではアメリカ同様に麻雀のルールを巡って各地で争いが絶えなかった。
謎の中国人、エス・ケイ・チュン(以下SK中)率いる雀ゴロチーム、
『クイタンズ』は、鳴き麻雀を得意とするチームで、常に四人で全国の雀荘に出没し、
名声を欲しいままにしていた。そして「それポンで!」を合言葉にしていた。
『クイタンズ』のメンバーは、「SK中」の他は、 「たそがれ正兵衛」「コージィ山本」「やんすこう」の四人だ。
今日も、あるバイニン「パピヨンつとむ」との対戦。 SK中は黙って四人の対決を見ていた。 パピヨンつとむは酒の呑み過ぎで頭がガンガンするらしく 得意のしゃべりもシツコくて、もはや三人の敵では無かった。 パピヨンはあっさり敗北を認めた。「もう勘弁してくれ!!」と。。。
しかしパピヨンは自分の代打ちに、『謎の役満メーカー』こと「髭マサ」を 刺客として、クイタンズに送り込んできた。 髭マサはパピヨンとは異なりほとんど喋らない。 たまに話すコトといえば、「コレ、イーペーコー確定してる?」ぐらいなものだ。 コージィは「お前レベルならレートは1/10でイイぜ!」と強気発言。 しかし髭マサは「クイタンズ」と戦法が逆で、鳴きを入れないのだ。 そのため四暗刻を得意とする殺し屋だったのだ!
酒がきれて、指先がプルプルしだした正兵衛に代わって、SK中が入った。
さすがの四暗刻使いの髭マサも『クイタン』には敵わず、あえなく玉砕。
やはり役満も鳴きには弱いらしい。
「俺たち!クイタンズ!!!」
自らの打ち方に何の疑問も抱かない四人は更なる旅へと出かけた。
「それポイで!」が口癖の伝説の中国人雀師、「チャーン諏訪」と戦う為に・・・
パピヨンつとむ・・・死亡
髭マサ・・・・・・・死亡
教訓『四萬楚歌』
その頃、チャーン諏訪はアメリカのリトルチャイナで「グレムリン」を売っていた。