●本当は素晴らしいグリム童話
「金の鍵」
ある冬のこと、雪が深く積もったとき、ひとりの貧しい少年が、
外に出て、たきぎをそりにのせて運んでこなくてはなりませんでした。
少年はたきぎをさがし集め、そりに積みましたが、
とても凍えて寒かったので、そのまま家に帰らず、まず火を起こして
すこし暖まろうと思いました。それで雪をかきのけて地面をきれいに
すると、金の鍵を見つけました。鍵があるならば、それに合う錠前も
あるにちがいないと考え、少年はさらに掘って、
鉄の小箱を見つけました。わあ、と少年は思いました。
この鍵が合いさえすればなあ、
きっと高価な素晴らしいものが中に入っているぞ。
少年はさがしてみましたが、鍵穴がありません。
とうとうしまいに、とても小さな穴を見つけました。
ためしてみると、鍵はぴったり合いました。そこで少年は、
鍵を一回ぐるっと回しました。
さて、わたしたちは、
少年が鍵をすっかり開けるまで待たなくてはなりません。
そうしたら、箱の中に何が入っているか、わかるでしょう。
〜白水社刊「初版グリム童話集�ぁ廚茲�