ミスチルの絶頂期に発表されたアルバム『深海』。
特筆すべきは当作が、前作『Atomic Heart』以後に発表され、
未だアルバムには収録されていなかった6枚のシングル曲の内
2枚しか含んでいない事である。
そこには彼らの代表曲である『Tomorrow never knows』すらも
収めない、徹底したコンセプト・アルバムとして突き詰められた
当作への意気込みが見てとれる。
事実、本作をひっさげての彼らのコンサートツアーで
彼らは「曲順通りに全曲を演奏」するという全くの前代未聞な
パフォーマンスを行っている。この事からも本作への自信と
その完成度の高さを感じる事ができよう。
−では、果たしてそこで語られたテーマとは一体何だったのだろう?
それは「死を想う事の美しさ」ではないだろうか?
冒頭。海へとダイブするSE。そして『シーラカンス』。
「−君はまだ深い海の底で静かに生きてるの? 君はまだ七色に光る海を渡る夢見るの? ある人は言う 君は滅びたのだと ある人は言う 根拠も無く生きてると−」
こうしたシーラカンスへの問いかけから始まる本作は、 最終曲の『深海』にて、
「−これから君は何処へ進化むんだい これから君は何処へ向かうんだい 連れてってくれないか 連れ戻してくれないか 僕を 僕も−」
と、結ばれるまで一貫して「救い」が無い。 そう、そこには「救い」そのものが存在していないのである。 (続)