私的Mr.Children論(7)〜次作へのインターバル

前作『深海』からおよそ9ヶ月。私達のもとへ新たな作品、 『BOLERO』が届けられる。が、このアルバムの発表は 『深海』製作時に「わりと短い期間で、出来れば同年内にでも もう一枚新しいアルバムを発表したい。」とミスチル及び関係者が 語っていたように、当初から予定されていたものだった。

この情報を予め知っていた私には今作が実験的な問題作『深海』に 対しての保険、ともとれるのではないだろうかという思いが頭を よぎった。
事実『BOLERO』は、 完全なコンセプト・アルバムとして作られた『深海』とは うってかわって、そこに含まれなかった既発シングルが全て収録される、 アンソロジー形式のアルバムである事は明白だったのだから、 こうした見解もあながち私だけのものではなかったのではないだろうか。

思い起こせば『BOLERO』発表当時は「ミスチルは このアルバムで、450万枚セールスという(当時)誰もが 未踏の領域を狙っているのではないか」等と真しやかにささやかれも したものである。こうした狙いは製作スタッフの間では少なからず あったのかも知れない。
しかし、もはやそうした記録に対して執着を 持たなくなっているはずの桜井君が、今になってそこまで あからさまな「売り」目的の作品をつくるのだろうか、という思いは 私の胸の中で依然消えはしなかった。

−その答えはすぐに出る事になる。







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