●総括・1999年度「私的何でもベスト3」
一年の締めくくりに、当年を彩った様々なジャンルの優秀作を発表し、それぞれに私評・総評を交えながら、当年を振り返っていきたいと思います。
<映画の部> 1999年度優秀作品ベスト3
1.「アイズ・ワイド・シャット」
2.「go」
3.「スター・ウォーズ エピソードT ファントム・メナス」
総じてレベルの低かった1999年の映画業界。私的評価「☆」はおろか「◎」すらも数える程というちょっと寂しい結果になってしまった。
そんな中トップにランクしたのは故・スタンリー・キューブリックの遺作となった「アイズ・ワイド・シャット」
どこからどこまでが計算によるもので、どこからどこまでが只適当なだけなのかわからない、いつもの謎めいた作品作りはここでも健在。それでいて非常に完成度の高い作品に仕上がっている点が天才の天才たる所以だろうか。
下手な説明を聞くよりも各自が感じたままに受け止めるのが、本作の正しい鑑賞法と言えるだろう。個人的には結局人間行き着く所はSEX(愛?)なんだよな、と思わせたが(笑)
この辺りはミスチルの桜井君にも通じるものがある。才人の辿り着く答えは皆同じ、という所が本テーマに妙な信憑性を感じさせた。
第2位作品には、一般的な観点からは意外であろう「go」を挙げた。
地味だが私にB級映画の面白さを久しぶりに感じさせてくれた作品で、「パルプ・フィクション」にオマージュを捧げた物語のアイデアも良かったし、おチャラケながらも構成はシッカリ。そして何より活きがいい。ビデオで観るのが正当かと思える作品なので、レンタルが開始された暁には是非もう一度観たいものだ。
3位には「スター・ウォーズ エピソードT ファントム・メナス」
内容については酷評だらけ、そして実際に前三部作と比較しても確実に劣っているのだが、無事復活を遂げたという記録とその一大ムーヴメント性だけで十二分に当年を代表するに足る一本と言えるだろう。当然のランクイン。
次点は「交渉人」、ワースト1は文句無しで「マトリックス」だ。
1.Mr.Children「DISCOVERY」
<音楽の部> 1999年度優秀作品ベスト3
2.椎名林檎「無罪モラトリアム」
3.CHAGE&ASKA「no doubt」
全部門中、最も混迷を極めた音楽部門。それでも1位の座だけはミスチルの「DISCOVERY」で不動だろう。しばしの沈黙の後、一筋の光明を見出したかのように前向きに歌う桜井君の姿は私に大いなる感動をもたらした。この辺りの詳細は、当HP「私的音楽論」内の「私的Mr.Children論」項に
続々と詳述していくので、注目頂きたい。
次点は椎名林檎のファースト・アルバム「無罪モラトリアム」
初めて聞いた時には震えが来た程に衝撃的だった問題作だが、その完成度の高さは折紙付き。何故これ程に一般受けしたのかは疑問だが一年を通して売れ続けた息の長さ一つを取ってみても本作のデキの良さが伺える。来年度の活躍も非常に楽しみ。そのあまりのクセの強さから飽きられるのも早そうだが、作品のレベルは落として欲しくないものだ。
3位は何と3年半ぶりの新作となったCHAGE&ASKAの「no
doubt」
これが彼らにとって最高傑作かとなると疑問だが、結成20周年の節目に復活を遂げ、これからのチャゲアス像を垣間見せてくれた点だけでも評価できよう。地に足の着いた大人の良作だった。
尚、当年の音楽シーンを席捲した宇多田ヒカルについてはその優れた音楽性と歌唱力は認めるものの、安直極まりない作詞センスが「詩」重視という私の音楽的観点とは真っ向から対立するため、論外となった。
しかしながら若干16歳の少女に対し酷すぎるこの要求はある意味仕方ない側面もある。年齢を重ね、より深みのある詩を描けるようになれば怖いものナシなのだろうが…移り変りの激しい音楽業界の中、そこに至るまでの息の長い活躍を期待したいものである。
1.エルコンドルパサー
<競馬の部> 1999年度優秀競走馬ベスト3
2.スペシャルウィーク
3.メジロドーベル
競馬部門では、JRAの規定する優秀馬の条件にとらわれず、真の意味で1999年度を代表する競走馬達を挙げてみた。
トップのエルコンドルパサーは当年は一度も日本で走る事無く現役を退いたものの、海外で残した実績は過去の殿堂馬と比較しても全く遜色のないもの。日本馬との勝負付けは1998年にある程度済んでいる事からも、当年を代表するにふさわしい1頭と言えよう。
次点のスペシャルウィークはグラスワンダーには一度も勝てなかったものの、1年を通してコンスタントに活躍した(年間最多のGT3勝等)点、数々のジンクスを超えて実績を残した点を評価してこの位置に。
当年1勝しか出来なかったメジロドーベルも牝馬としては初の4年連続GT勝利プラス合計5冠馬、且つ毎年最優秀牝馬部門を受賞という殿堂入りの条件すら満たしきる通算の実績を考慮すればこのランクも当然と言えるだろう。尚次点には真の意味で今年最も強かったエアジハード、次いでグラスワンダーといった所。
1.「ラビリンス」
<TVドラマの部> 1999年度優秀作品ベスト3
2.「ケイゾク」
3.「怒る男・笑う女」
ここの所不振の続くTVドラマ業界。1999年度は特にその傾向が顕著となって数字に表れた1年だったと言えるだろう。
そんな低落傾向にあった当年においてベスト1と呼ぶにふさわしいのは何と言っても「ラビリンス」を置いて他にない。謎が謎を呼ぶ展開の中、非現実的要素を苦しいながらも度を越さない程度に抑えつつ、首尾一貫した物語構成は非常に高く評価できる。象徴的且つベスト・マッチの主題歌「Hungry Spider」も高評価。中盤に中だるみしたきらいはあるものの、最終回にキッチリ挽回した点で素直にこの位置。役者陣もそれぞれ頑張っており、特に保坂尚樹と渡部篤郎は秀逸だった。
次点の「ケイゾク」は純粋な面白さだけなら最右翼かもしれないものの、私の最も嫌いな、流行に乗った演出過多と物語を終らせるためだけに存在したラスト3話が大きな減点対象に。主演の渡部篤郎と中谷美紀が頑張っていた分非常にもったいない結果になってしまった。
年末に放映された「特別編」も蛇足にしか過ぎなかったため、映画版のデキも怪しまれる。連続ドラマだけで止めておいた方が賢明だったのではなかろうか。
3位以下はこれといったもののない状況。そんな中全く必要性のない程に豪華すぎる配役を擁した点を評価してNHKの「怒る男・笑う女」がダークホース的にランクイン。
個人的に気に入っている野島伸司作品では唯一「リップ・スティック」最終回にのみその魅力の片鱗を感じさせたものの、そこまでが精一杯だった。残念。
ちなみにここまで書けばおわかりだろうが、当年の最優秀俳優は渡部篤郎で決まりである。来年度もその個性を活かして頑張って欲しい。
1.「死のうかっていう勢い」
<流行り言葉の部> 1999年度流行語大賞ベスト3
2.「何も生み出さないバイト」
3.「デタラメだ!」
最後にオマケとして、私の身辺でのみ流行った言葉の上位3作を発表。
どうやらあまり良くない一年だったようである(苦笑)