・映画短評

い、う、えけ、こさ、しせ、そた、ち、つ
て、と、な行ひ、ふ、へ、ほみ、む、め、も、や行ら、り、る、れろ、わ行0〜9,A〜Z他


「スウィート・ノベンバー」評価×
キアヌ・リーブスの勢い溢れる前半や歌唱シーンに代表されるノリノリっぷりがなかなかに楽しい。加えて何より評価したいのはラスト・シーン。これまでありそうでいてなかった極めて現実的な結末は、一言"よくやってくれた!”な感。世の中には一本くらいこんな作品があってもいい筈。まあここまで誉めても、お涙頂戴目的ミエミエの急展開が全てを台無しにしてしまっている点はどうしようもなく哀しい。キアヌの体型くらいに。

「スクリーム」評価△
ライトなタッチで展開する新感覚モダンホラー。冒頭の犯人が出すクイズ等ホラー映画のファンなら思わずニヤリとしたくなるオマージュがたっぷり。確かに見所は多くヒットしたのも頷ける話だが、犯人は誰だ?と煽るだけ煽った結果があれでは納得がいかない。謎解き感覚で見ようとしても、結局の所犯人がああなら不可能なく何でもできてしまうのだから。ただ個人的には、同種の殺人モノによく見られる超人的な強さの無い(コロんだりしちゃう!)妙に人間臭い仮面着用時の犯人が笑えた。

「スクリーム2」評価×
新鮮なタッチでヒットした前作の続編となるホラー。幾多のホラー映画を徹底的にパクッた前作同様、今回も劇中で「続編」についての解説があったりとお楽しみ要素は満載。ただ如何せんこのシリーズの犯人像は卑怯。常識的に単独犯として考えた時の手口の矛盾、動機の薄さ、最後の最後でいかにも説明的にその必然性を語らせるだけ、といった展開では話の途中で犯人が誰かなど解るはずがないのだから、前作同様謎解き感覚で見せられるのは全くもってナンセンス極まりない。ただ終盤での犯人のクレイジーな演技はちょっとよかった。

「スクリーム3」評価×
人気のモダンホラー三作目にして完結編。まず何よりもこの手のホラー・シリーズで主要キャストが皆再登場してくれるのは嬉しい限り。しかしながら元々「パクリ映画」として始まったものを、真っ当にまとめようとしたのがそもそもの間違いではなかろうか。守りに入ってしまった印象の強い内容を見ていると、これまでの当シリーズの魅力がケビン・ウィリアムスンの脚本による所が大きかった事が浮き彫りになった感。その分課題だった犯人像だけは随分良くなってたが(笑)これでは一介のホラーと何ら変り無し。主役はデューイとゲイルだったしね。

「スター・ウォーズ」評価☆
SFXの金字塔、「スター・ウォーズ」シリーズの原点にして最高傑作。本作から22年、その4作目となる続編 「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」が発表されるに至ってもなお、本作における宇宙空間での戦闘シーンを超える同種の映像描写にはお目にかかれない。行き交う宇宙戦闘機のスピード感と迫力、バラエティーに富む何故か憎めない登場人物達、絶妙なストーリー構成等、正に20世紀を代表するSFと呼ぶにふさわしい。個人的にはどこかチープな世界観もお気に入り(笑)

「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」
○第一部「公開直前」(1999.7.4)
○第二部「ファースト・インパクト」(1999.7.11)
○第三部「宴も落着…総論」(1999.8.10)

「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」評価○
全世界待望のシリーズ5作目は、相変わらずのエンタテイメントぶりに加え、前作で顔見せ程度に留まったジェダイ・マスター達が見せる前に前にの奮闘ぶりやヨーダの嬉しいアクション・シーン等、各人の表立った活躍がいよいよ物語が大きく動き出した印象を抱かせるクライマックスへの橋渡し作品となった。前作でジャージャー・ビンクスに奪われたコメディエンヌの座を、彼が自滅した形で(笑)取り戻した格好のC3POも、やり過ぎの線ギリギリのパフォーマンスで面目躍如。反面、今3部作の主役たるオビ=ワンがまたも薄い印象しか与えられていない点が気がかりだった。圧倒的なCG量が現実味の希薄さを更に増長させている点も(今3部作の特徴とは言え)個人的には不満。

「スター・ウォーズ ジェダイの復讐」評価◎
大人気SFシリーズ第3弾。区切りとなる今作では、主要キャラ達が続々と一堂に会する幕開けから中盤での目にも止まらぬ追跡劇、そしてラストの地上、宇宙、敵要塞内という三ヶ所での同時戦闘進行と、その息もつかせぬ展開は見応え十分。可愛いくておマヌケな人気キャラ、イウォーク族が出るのも今作。ドロイドC−3POの活躍も嬉しい限り。本当にこれで終わっちゃうの?

「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」評価◎
大ヒットを記録した前作の続編となるSF大作第2弾。本編の製作は前作時と違い、3作目の製作が決定された上で行われているため、それへの前置きに徹せられるというある種の余裕が感じられ、それが良い方向へと本作を導いている。3作目を盛り上げるため(?)全体的に暗めの雰囲気を漂わせた作りは、シリーズ全体の内容に深みを持たせる事に成功。問題に次ぐ問題を抱えたまま幕となるラストはいやが上にも次作を期待させるものになっており、一般的にシリーズ中で今作が高評価なのも納得がいくというもの。面白い。

「スティング」評価○
軽快なテーマ曲に乗って繰り広げられる一大ペテン。テンポの良いストーリーに小洒落たセンス、ドンデン返しに次ぐドンデン返しの先を読ませぬ展開構成等、実にしっかりと作られた快作。古き良きアメリカの趣が堪能できるので今改めて見直してみるのも一興だろう。ちなみに本作のロバート・レッドフォードは現ブラッド・ピットファンなら要チェック!抜群の甘いカッコ良さを誇っていますぞ。

「素晴らしき哉、人生!」評価☆
名匠フランク・キャプラ、名優ジェームス・スチュアートの両人が送る傑作。劇中の各シークエンスが、以後の作品にどれだけ引用されたかわからない程良く出来ている上、ストーリーも素晴らしい。自分の生き方に疑問を持ったり、人生に疲れた人達にこそ是非とも見てもらいたい一本。ラストの、やりすぎとも取れる立て続けに起るハッピーな場面も本作においては十分に不可欠な要素と言える。きっと涙無しに見れぬ程の感動を与えてくれるだろう。まさに気分は「It's a wonderful life !」である。

「スパルタカス」評価△
当年のアカデミー賞を独占した大作。有名な話だがその功績とは裏腹に、当時まだ若年だったスタンリー・キューブリック監督が自分の色を押し殺して製作、不満を残した作品でもある。彼の構想では虐殺を繰り返しつつ海岸線を突き進むスパルタカス軍等を描きたかったらしいが、その異色な構想とはうってかわって完成品は如何にもハリウッド然なものに。そりゃ不満だろう。壮大な構想の元、良く出来た作品に仕上がってはいるのだが、個人的には私もおざなりなものではない「キューブリックの」スパルタカス像を見たかった。

「スピード」評価◎「スピード2」評価△
ご存知キアヌ・リーヴス主演で大ヒットを飛ばしたアクション巨編とその続編。1作目の新鮮な設定とスリリングな展開は光っていて、その人気も頷ける所。私自身も文句をつける所はあまり見当たらない秀作。問題は、一転して酷評が多い続編の方。思うに「スピード」の続編である、と言う点が当作の一番のネック。舞台が船上であるため肝心の「スピード」感があまり感じられないのがまずかった。ハッキリ言って「時速30ノット!!」とか言われても、一般人にはそれがどの位のスピードなのかわからない。前作からの過度な期待とキアヌの降板等、周囲の状況に恵まれなかった可哀想な作品で、それを考えなければ十分鑑賞に堪え得るデキにはあると私は思う。ヒットした 「エアフォース・ワン」「ダイ・ハード3」の方がよっぽどつまらない。

「スペース・カウボーイ」評価△
70歳を過ぎても夢を失わない、子供のような心を持った偏屈爺さんの物語。 トミー・リー・ジョーンズ演じるホークが、味はあるものの元々の設定に反して良い人にしか見えない点がちょっと気になるものの、単なるお涙頂戴的な顔を前面に押し出さない作りは、非常に好感が持てる。悲壮なる「死」を意識させない、明るめなラストもこの大人のためのおとぎ話にはピッタリ。ヘルメットに映る地球は何よりも美しかった。

「スミス都へ行く」評価◎
名匠フランク・キャプラ監督による、アカデミー脚本賞を受賞した代表作の一つ。良くも悪くも「アメリカ」が舞台の「アメリカ人のため」の話なのだが、そのスピリットは私達の心にも届くものとして見事に描かれている。人間としての誇りと良心そして正義を、汚職絡みの政治闘争の中で純真な主人公の姿から思い出すペイン上院議員を見て、私達もどこかしら妥協しているかもしれない自身の有り様を見つめ直したいものである。−やっぱりキャプラはわかっとるよ!

「スライディング・ドア」評価○
グウィネス・バルトロウ主演のファンタジー・ロマンス。地下鉄に間に合った場合と、間に合わずドアが閉まってしまった場合、二通りの未来を描いていく設定自体は珍しくもないが、映画的に向いている題材であり、軽快なテンポと相まって良質の作品を作り上げている。違う時間軸を歩んでいる登場人物達が、本来在りえぬニアミスを起すのも楽しい。セリフのやり取りも上手で、とりわけ「何でいきなりウディ・アレンになるのよ!?」は朱色。

「スリーパーズ」評価△
ダスティン・ホフマン、ロバート・デ・ニーロ、ブラッド・ピット、ケビン・ベーコン、ジェーソン・パトリック…一人で主役を張れるビッグ・スター達の名前がズラリと並ぶ豪華さにも目がいく大作。全体に無難にまとめられた社会派作品だが、メインの三人にばかり注意が注がれてしまった点は気になる。何よりもう一人の重要な仲間である神父についての物語をもっと入れてもよかった筈。そのためにクライマックスの法廷シーンが、彼の内面の葛藤が見えてこない淡白なものになってしまった。ダスティンの弁護士なんかは更にひどく、設定だけ深そうな割にキャラがまるで立っていない。こうした宝の持ち腐れ的な配慮の足りなさが物語全体をスポイル、シナリオは悪くないので余計に惜しい。

「スリーピー・ホロウ」評価△
文学的な側面あり、迫真のチェイスあり、ドンデン返しありという豊富さに加え、全体で106分という巧みなまとめぶりも光る一品だが、どこか中身の伴わない満足感が残る。舞台だけティム・バートン監督のカラーを借りて行儀良くまとめた娯楽作、といった感。一般層へのウケは良さそうでも、バートン・ファンには物足りない−難しい問題だが、バートンの世界観とこの上なくマッチしたキャストであっただけに一層残念。






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