・映画短評

け、こ い、う、えさ、しせ、そた、ち、つ
て、と、な行ひ、ふ、へ、ほみ、む、め、も、や行ら、り、る、れろ、わ行0〜9,A〜Z他


「ケーブルガイ」評価×
サイコ・ホラーすらも只のギャグになる程強烈なジム・キャリーのワンマンショー映画かと思いきや、マシュー・プレデリックのあまりに普通のおじさん然とした「素」がジムの更なる引立てに思わぬ効果を発揮!だがクライマックスが、それまでの駄作ぶりを一気に解消させるかとも思える位、印象的な展開と演出であったのにもかかわらず、ジムが転落して以降も無駄なエピソードを延々と続けたばかりに、結局おざなりな結末で終ってしまい非常に勿体無かった。どうでもいいけど私もジムとバスケがしたい(笑)

「ゲーム」評価△
デビッド・フィンチャー監督によるミステリー・サスペンス。その謎めいた構成は興味を引くが、主人公の身に降りかかる不可思議な出来事を全て「ゲーム」だった、の一言でまとめる強引さには、幾らテーマに即していようがもはや失笑を禁じ得ない。一瞬で周囲の人間がいなくなるシーン等は「演技でした」で済む話ではないだろうに。これを楽しめるようなら、カラーが全て似通っている同監督による他の作品も皆いけるだろう(苦笑)マイケル・ダグラスの弱り具合とキレ具合は笑えたけどね。

「恋におちたシェイクスピア」評価○
アカデミー賞には不向きと言われるコメディ映画ながらも七部門を獲得した話題作。肝心の内容もその実績に恥じないデキで、とにかく可愛いく、そして楽しいラブストーリーに仕上がっている。ベン・アフレックの浮き具合が多少気になるものの、ジュディ・デンチ扮するエリザベス女王はわずかな登場にもかかわらず、含蓄あるセリフもバッチリ決まって圧倒的な存在感を誇っている。助演女優賞受賞も頷ける所だろう。難を言うならラストをシリアスにし過ぎた感も。全編を彩る華やかな雰囲気のまま最後まで明るく締めて欲しかったと願うのは欲張り過ぎだろうか。

「恋に焦がれて」評価○
微妙な年代にある男女の恋愛模様を奇をてらう事無く描いた、ヒロイン・ジュリエット・ルイスの魅力も弾ける快作。その行末を、ただ主観的に描くのでなく、第三者である幼い女の子の視点で捉えた所がまた良い。こんな作品が当たり前に埋れているから映画って止められない。

「恋人たちの予感」評価◎
「男女間の友情は存在するのか?」を根底に展開するビリー・クリスタルとメグ・ライアン主演の恋物語。劇中に経過する時間は結構なものなのに、余分なテロップを極力排除し、物語の軽妙なテンポを崩さず短時間の作品にまとめあげた構成は秀逸。わざとらしさを感じさせない至極自然な恋のシチュエーションも感情移入し易く好印象。語られる恋愛の哲学の数々はさながらウディ・アレン映画を思わせるが、それが嫌味にまでならない所も良い。この作品を見ていると、自分はやっぱりロブ・ライナー監督を好きなんだと再認識させられてしまう。クライマックスでのビリーの笑顔はまた格別。

「交渉人」評価○
派手さには欠けるが実力派の俳優達を揃えて、ストーリー性で勝負した快作。その狙いが見事に活きて、人情味や人間臭さ溢れる登場人物達には感情移入する事しきり。特にケビン・スペイシーの堅実さは光る。よくある話ながらもスピーディな展開とツボを押えた手堅い構成で一気に観せてくれる。目新しさはないものの、近年希な理屈抜きで楽しめる映画らしい映画だった。

「洪水の前」評価△
少年達は何故罪に問われるのか?各人たちの回想を元に構成される物語はジワジワと私達を惹きこみ、なかなかに手堅い。フランス映画独特の『陰』が、作品が提起する様々な問題(所謂『陰』の側面)とマッチして、“考えさせられる”だとか“感動”だとか言う前に、当事者達全てが嫌いになってしまう。―って、それは誉めてもいい所?

「幸福の条件」評価△
「お金で愛は買えるか?」というテーマで、当時話題を振り撒いた問題作。ハッキリ言って、この夫婦に限って言えば買えてしまうだろうと思える程散々な二人が迎える結末としては、少々あきれた。その辺の描写には不満が残る作品だったが、意欲的な作品である事は素直に評価したい。絶頂期(?)だったと思われるデミ・ムーアもさすがの存在感を見せている。しかしデビュー当時と比べると、2倍近く大きくなっているように見えるあの胸は一体…(笑)

「腰抜け二挺拳銃」評価○
お笑い要素満載でおくるボブ・ホープ主演の大ヒット西部劇。大味ながら笑いの基本に忠実な構成で、樽の中での射撃シーンなんかはいつ見ても可笑しい。本当は脇役なボブのドタバタぶりを巧みにあしらう真の主役(笑)ジェーン・ラッセル扮する女ガンマンも魅力的な良作で、オチも散々引張った甲斐ありイカシテます。アカデミー賞受賞の主題歌「ボタンとリボン」も何故か耳に焼き付いて離れない。

「コップランド」評価×
シルベスター・スタローンとロバート・デ・ニーロの二大スター共演で警察の裏側を暴く野心作。扱ったテーマは興味深いものの、まず何よりこの二人の組み合わせからしてミスマッチ。その上脚本も全体に書き込みが甘く、スタローンが陰のある主人公を、彼なりに詩一杯演じるものの、その印象は薄っぺら感を拭えない。デ・ニーロに至っては出演作をもっと考えて欲しい程。1+1が2にもならない駄作。

「殺しのドレス」評価△
ブライアン・デ・パルマ監督によるサイコ・スリラー。性倒錯をテーマにしたその内容には、シャワーシーンの使われ方やカット割り等、節々に 「サイコ」の影響が。だが単にそれを真似るだけでなく、画面2分割カットや漫画的回想等何かもう一つやってやる、という意欲が見られる点は好感。前半の「欲求不満奥さん、真昼の妄想」的展開には呆れるが、それ以後は見所十分。それにしてもラスト15分は反則。怖いったらありゃしないよ、もう!「キャリー」入ってるんだもん。

「コンタクト」評価◎
監督ロバート・ゼメキスの想いが全編に滲み渡る大作自慰行為映画。宇宙(人)に想いを馳せる女性が地球外生命体からの交信電波をキャッチし、コンタクトを取るまでの紆余曲折が描かれるのだが、熟達した手腕による洗練された作りが本作を小難しく堅苦しいものにせず、安心して観ていられるものに。やはり人間、自身が本当に作りたいものを作ると違うものである。クライマックスの場面等、やや精神世界へと「トビすぎ」のきらいもあるが、ゼメキスの思い入れの深さの証明として寛大に受け取ってあげたい。主演のジョディ・フォスターも彼女にしか出せない個性を十二分に発揮している。






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