・映画短評

い、う、えけ、こさ、しせ、そた、ち、つ
て、と、な行ひ、ふ、へ、ほみ、む、め、も、や行ら、り、る、れろ、わ行0〜9,A〜Z他


「ギター弾きの恋」評価◎
隙がなく軽妙、手堅いまとめっぷりと愛くるしい毒っ気…私の好きなウディ・アレン映画の要素が殆ど網羅されている佳作で、か弱さと豪快さを併せ持ったサマンサ・モートンの演技も魅力的。エメットと彼女の決別シーンを直接描かない白眉な構成には熟練監督の余裕すら感じられる。本筋とは外れるものの販促のキャッチコピー「月まで届け」も上手いなあ。

「キャスパー」評価△
アメリカではお馴染みの人気キャラによるSFX。何気に膨大なCG数を誇っているのだが、見ていてその気にさせない所が実はスゴイのかも(笑)それより何より“不思議少女”クリスティーナ・リッチとビル・ブルマンという(今となっては)豪華な組み合わせの方に驚かされるのでは?特にリッチは魅力全開。彼女がいるだけで現実くささを感じさせない、どこかファンタジーな雰囲気が出ている。妙な粗には目をつむって、子供と一緒に純粋に楽しみたい作品である。

「キャリー」評価△
スティーブン・キング原作初の映画化、加えて名匠ブライアン・デ・パルマが監督を務めたという、今思うと話題に事欠かない作品。出来自体も他のキング原作の映画化作品に比べれば良好の部類か。何につけても、この作品の怖がらせ方は卑怯。特にラスト、ああいう事しちゃえば、何だってできるっつーの!しかも怖いに決まってるっつーの!…ああ、怖かった。

「吸血鬼ノスフェラトゥ」評価△
ブラム・ストーカーの原作を基にして作られた、吸血鬼ものの草分け的存在となった一品。尖った長い耳、ニューッと大きい口等、容姿は現在の吸血鬼(所謂ドラキュラ伯爵)のイメージとは一線を画すが、その存在感の強さは際立っている。本作においてつとに有名な「闇」の描写の恐ろしさもまた格別。−モノクロだからこそ、そしてサイレントだからこそ怖いものもある。

「救命艇」評価○
海に漂う救命艇という、閉塞された空間の中で展開される集団心理劇。巻き起こる事件の数々や人間同士の諍い等、限定された舞台を逆に生かした巧みな筋立ては流石ヒチコックとでも言うべき職人芸。状況が状況だけに難しいのでは?と思われた本人の登場シーンがバッチリなのも見逃せない。後半部に「やや出来過ぎ」な感も見受けられるが、登場人物達の性格付けもシッカリして飽きさせない良作。

「巨象の道」評価△
ヴィヴィアン・リーが精神的に病んでしまい途中降板。その代役にエリザベス・テイラーがついたという、問題作。「女王」リズ・テイラーの美しさ自体は目を見張るが、演じるキャラの設定がどうみてもヴィヴィアンのモノ。その役回りをリズにやらせるのはちょっと違和感を感じ得ない。ヴィヴィアンなら…という思いがどこまでもついてまわる作品。ストーリー的に深いのだが、平凡の域は出ないか。






映画短評TOPへ戻る

私的映画論へ戻る